子育ての経験がママのキャリアをデザインする
小さなお子様をもつママとそのママのお仕事を考えた時、あなたはどんなイメージを持ちますか?
・子育てと仕事の両立なんて大変!
・うちはほぼワンオぺ育児、自分のキャリアが後回しは仕方がない…
・産休・育休がある女性のキャリア形成って正直、難しいよね。
・女性の社会復帰、現実的に、不利よね…
などなど、お母さんという存在は「子供を産み育てる」という重要な任務を負っているにも関わらず、女性のキャリアという視点でみると、ある一定の期間、子育てに専念することにリスクや不安を抱えてしまうことは多いと思います。
「ママが「ママ」を超えて一人の女性としてキャリアを積んでいくサポートをしたい」
そう語る、大倉昌子(おおくら まさこ)さん。
彼女は女性のキャリアをサポートする「Cheerful Smile」の代表として、西へ東へ飛び回っています。
そんな昌子さんですが、彼女の今の仕事の土台となっているのは、二人の子供の産休・育休の時期の経験があったからこそ。
大倉昌子さん、渋谷クロスFMでラジオパーソナリティをしています
一見「子育て時期の女性のキャリア形成は不利なこと」と捉えられがちな印象。でも、昌子さんの今のキャリア形成についてインタビューしていく内に、
子育てをしているからこそ、私は私をどうやって生かすのか?に気づかされる。
自分自身と向き合って、一人の女性としての生き方をみつけることができる。
という、子育ての時間は「キャリア形成の意味でも、とても価値のある時間である」ことを教えてくれました。
この昌子さんのインタビューを通して、仕事が大好きなママが、子育て期間を最高のチャンスする、そんなママがたくさん増えることを願っています。
さて、今日は、大倉昌子さんのママとしての素顔に迫まって、そのヒントを感じていただけたらと思います。
※黒太文字はインタビューアー、青色文字は大倉昌子さんのコメントです。
Contents
大倉昌子(おおくら まさこ)さんってどんな人?
ー昌子さん、今日はよろしくお願いします。昌子さんの第一印象は明るくて人懐こくて、そして、なんといってもパワフルという印象があります。いきなりですが、そのパワーはどこから来ているんですか?
いきなりですね…(笑)パワーの原動力ですか?
そうですね。パワーの原動力は「人とのつながりが自分と社会を豊かにする」という確信ですね。
例えば、自分の可能性をあきらめてしまっているママがいたら、「いやいや、そんなことないよ」ってお節介をつい焼きたくなってしまうんです(笑)わたしの信じていることの前提に、「人はもっとよくなる、成長する」っていうのがあるんです。
ーお節介を焼きたくなるんですね(笑)「人はもっとよくなる、成長する」って素敵ですね。それはどなたかの影響を受けていたりするのですか?
父の影響ですかね…ありがたいとこに、「昌子は人を明るく照らす人だよ。昌子の昌は商売繁盛の意味で豊かになるんだよ」と、父がそう言って育ててくれたこともあって。
ー素敵なお父様ですね。
小さい頃から、どう関わると相手は心地いいのかな?とか、クラスで取り残されている子がいると、どうやったらグループに入れるのかな?とか… なぜか自然と、どうやったらいいのかがわかって。そうやっているうちに、いつの間にかわたしの後ろに人の行列ができてる、みたいな。
母校立命館大学愛知県校友会年次総会での総合司会
ー天性のリーダーシップですね^^
姉御肌ですね。(笑)
だから、今、「人は成長するし、必ずよくなる、そして、私が一緒にいるともっとよくなる」って根拠なく、信じているんですよね。
人の可能性、それが広がる瞬間に一緒にいたい。
このワクワク感が人にお節介を焼きたくなることに繋がっていると思います。
また、小さいころから、「あなたの話はわかりやすい」って褒められたこともあって、これも「言葉の力で応援する」という今の仕事につながっていますね。
ーなるほど、そんな背景があったんですね。
そうですね、だからわたしの活動の範囲が、自分の可能性を閉じているママの応援、キャリア支援、集客のサポート、それからコミュニティ作りに広がっています。
ー多くの人との関わる幅広い人間関係と、「ひとりの方の人生の応援」という、一人の人と深くつながるという関わり。これが上手に循環して、いろんな角度から人の応援をする、これが大倉昌子さんという人が作り上げている世界観のように思います。
ママたちのコミュニケーションアップを応援!チャンスをつかむ大倉昌子の話し方セミナー開催の様子
子育て期の「試練」がくれた贈り物
ー今回「人を幸せにするとはどういうことか?」をテーマにお話ししたいと伺いましたが、それはなぜですか?
そうですね、「心の底から幸せです」と言えない人が多いなぁ、と日々思うことが多くて。そしてそれは特に女性に多いことに気づいたんです。
子育てしているママだったり、もし結婚してなければ「わたしはまだ結婚していない」になるし。女性だからこその不安や悩みがいっぱいだなって思うんです。
でもそう思うのは、自分が幸せでなかった時の経験があるから、だからこそだと思うんです。
ー昌子さんのお仕事の軸である、「ママのキャリアサポート」が生まれたのも、昌子さんが経験した「子育て期の試練」の期間だったと伺いました。
そうなんです、年子で2人の子供の子育てで、産休・育休と会社を休んでいた時期が続き、その時に、本当に心が滅入ってしまったことありました。当時は、「こんな自分で生きてていいのか?」って思うくらい自分のことを追い詰めてしまってました。
社会から取り残されているように感じる孤独感や、自分には価値がないっていう無価値観、24時間、子供守るという責任感に圧倒されて。。。。今、振り返ると、なんであんなにって思うんですけど、当時は自分の心のコントロールを失ってしまっていましたね。
まもなく第1子出産という頃
ーそうだったんですね。専業ママがその感覚に陥ってしまうお話はよく聞きます。出産するってある意味、命がけであり、また小さな命がお母さんに全信頼を寄せてくるのをサポートしているって、すごい仕事だと思います。
でもどうしてママ達がその感覚に陥ってしまうことが多いでしょうか?
本当ですよね。でも多分、子育ての成果ってすぐには結果が見えないものなんですよね。当たり前なんですけど。今までだと、仕事をすることで誰かの役にたっていることを実感できたりとか、自分の成長や成果を感じれていたけれど、いきなり、ものすごくゆっくりな成長を見守る世界に環境が変化する。
本当に当たり前なのだけど、子供の成長って本当にゆっくりで、最初はおむつを替えて、ごはん食べさせて、あれ?もう夕方17時?いったい何をしてたっけ?って。
何もできてないやんって、人として役に立てている実感とかを感じることが難しくなってしまうと思うんです。
結局、自分で自分を認めてあげることが一番大事なんだと思います。そして、まわりからの承認もほんとに大事。
ーなるほど。昌子さん自身が、その心が滅入ったことからシフトできていったのはどんなことがきっかけだったんですか?
わたしの場合は、「浴衣を上手に着付けて自分で着る」ということだったんです。でも、浴衣を着たからといって、それを着て外にでかけるってことも子供がいるとできないし、写真をとってSNSに投稿するとかそんなことでもなく…ただ自分のために自分で着つけする。
本当にそんな小さな小さな一歩だったんですけど、家族のためではなく、ほんの少しの時間でも「ママである自分のためだけに時間をつかう。」そうすることで自分で自分を認めるということに繋がっていったんだと思います。
その後、大学の卒業校の同窓会があって、その時に着物を着て参加したんです。
その時が、ママでありながら、〇〇ちゃんのママとしてでなく、一人の女性「大倉昌子」として、再び社会と繋がりなおしていった、そんな感じです。
母校立命館大学にて、校友会報誌特集に掲載取材・撮影いただいた時
あなたの背中を押すのは、「あなた自身を生きてほしい」から
ーよくやく育休があけて職場へ復帰するとなったときに、昌子さんにまた試練が訪れて、それが今のキャリアを築く土台となっているとのことですね。
そうです。ちょうど復職のタイミングがリーマンショックの時で、ただでさえ仕事に就くのが難しい時で、2人の子供の保育園の問題、通勤の問題、復帰する部署の問題など、簡単にはいきませんでしたね。
その時に改めて、「働くってどういうことか?」お金のため?何のために?ということと考えさせられましたね。そして、さらにその後に起きた3.11の地震も大きな影響を受けました。
育休から復帰を模索しながら、子供との時間をすごしていた頃
それは「命」の期限です。
命=(イコール)時間なんだと本当に思ったときに、自分が子供たちの側にいながら働きたいとフリーランスという働き方への道を考え始めるきっかけになりました。
この期間に、子育てと、自分の働き方を考えることで、「自分を生きているか」ということが一番大事だと考えるようになりました。ここから離れてしまうと、結局バランスを崩してしまうことがわかったから。
ーだからこそ、その人自身が自分を生きているのか?ということを大切にして、同じ経験をしている「ママ」の話を聞きたいって思われるんですね。
ならいごとサロン主宰者として、フラワーアレンジメント講座を開催している様子
将来のビジョンに向かって
ーさて、昌子さんの将来のビジョンを聞かせてください。
最終的には、「国の仕組みを作ることに関わりたい」っていう想いがあるんです。
女性の活躍って、その人一人の頑張りだけじゃなくて、お父さんの働き方、例えば残業が減るとか、シニアの人が関わる子育てだったりとか、いい仕組みがあればすべてがうまく循環すると思うんですよね。
もうひとつ持論があって、一人一人が自分の言葉をもち表現し認めあえるようになれば、子供のいじめや、政治や企業の汚職も結局なくなる、一見、何の関係性もないようにみえて、でも、世界がよくなるに繋がっていると思うんですよね。
だから、そのために、「大倉昌子」っていう人を多くの人が知っているという環境をつくっておきたいなぁって思うんです。
「おうえんを文化に!」渋谷ヒカリエでの1000人規模おうえんフェス開催時にカメラマンケアをしている様子
ーたくさんのコミュニティに関わっていることもそのひとつですか?
そうですね。そして、自分が今いるコミュニティとは全く違うコミュニティに入って関わっていくことを大事にしていますね。そこで感じる「違い」を理解していったり、また魅力を掛け合わせて新しいものを提案していくこともできるし、それはとても面白いことです。
ー先ほどから昌子さんのお話の中で、「多様性」という言葉が印象に残ります。この「多様性」は昌子さんの大切なキーワードなのでしょうか?
そうですね、「ひとりひとり違うのは当たり前」は「宇宙がそうしょ」ってくらいに「違うこと」はわたしにとってはとても楽しいことですね。「違い」が自分とはあまりに違ってすぐに受け入れられない時は、「どうしてそうなんだろう?」って、そこに疑問と問いをたてています。
多分、母の影響ですね。母はいい意味で細かいことに気が付くひとなので、私と違って「どうして母はそうなのだろう?」と考える癖がついて、それが人との違いを理解するということに役に立っていますね^^
自分の子供たちにもそうです。お母さんが言うからとかじゃなくて、「あなたはどうしたいのか?を一番大事にしてね」と言っています。
今では過去、しんどかった時の自分自身のストーリを語ることができるので、「お母さんの今があるのは、あなた達のおかげだよ」と子供達に言えることができるんですよね。
ー子育ての経験が今の昌子さんをつくって育ててくれているんですね。お話を聞いていると、子育てとキャリアって一見、別物に思っていましたし、子育てって、女性のキャリアを邪魔してしまいがちな印象がありました。
でも、お話を聞いていて、そうではなくて、子育てを通じて、その方自身のキャリアを見つけていくいい機会なんだ、そしてとても大切なものなんだと考え方が変わりました。
ママが家庭と仕事のバランスマスターになる支援講座開催中の様子
まとめ
幅広いサービスメニューでママをサポート、そして数々のコニュニティー活動をする昌子さんのメッセージはひとつ。
「自分自身を生きているか?」ということ。
そして、その人が自分自身を生きることを大事にするからこそ、「みんなそれぞれ違って当たり前」という違いを大事にできるんだということ。こんな風に人にまっすぐな好奇心を伸ばす昌子さんからは人に対する大きな愛情を感じます。
そして、パワフルなエネルギーが溢れ出している昌子さんですが、彼女を感じていると、どこか一歩下がって控えている奥ゆかしさがあります。それは、彼女を子育て期に支えた「丁寧に浴衣を着る」という行為ににみてとれます。
彼女にとって「着物を着て出かけることは会う人に敬意を示す態度である」というあり方の表現であり、それが着物をきていない時にでも存在として滲み出ているものなのだと思います。
もし、あなたが可能性を閉ざしそうになっていたときに、昌子さんの明るいお節介(注1)を焼くサポートがやってきたら、それは天性のものですので、ぜひ遠慮せずに受け取ってくださいね。
※注1)ここでのお節介とは、昌子さんの人懐こさと天然で人をサポートしたいという母ような大きな愛情という意味です。
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