何も得られないから得られる「悟り」
努力してもなかなか目に見えた成果がでないことがありますね…
特に時間とお金をかけたもの、それから情熱を注いだもの。1年、2年、でなく何年もやっていること。
あなたには何かありますか?もしかしてもう辞めたくなったり、諦めようかなと思っていたりしますか?
今日は冬至の季節になると思い出す、人生の光と影、「陰極まりて陽となす」この言葉から、挫折を感じているときに、大きな視点で物事をみることができるようなメッセージをお届けします。陰を許して味わいましょう。
何にも咲かない寒い日は下へ下への根を伸ばせ、やがて大きな花が咲く
この言葉は、元・三洋電機の副社長「故・後藤清一氏」の遺された言葉のようで、金メダリストの高橋尚子選手が、恩師から贈られた言葉として座右の銘にしていたということで有名になったようです。
高橋選手が金メダルを取る前ですが、わたしが20代で営業をやっていたとき、数字が出せなくて精神的にしんどくて体調を崩していたときに友人が手紙を書いて励ましてくれた言葉です。
その時は、ボロボロと大きな涙の粒が落ちるくらい泣きました。
友人が、そっと見守ってくれている感じがとても嬉しかった、そして、この言葉のおかげで自分のものの見方と考え方が変わったことです。
「自分が不毛なことばかりしている」という自分のことを責めて、自己否定しているところから、今のやっていることに価値を見い出して、目の前の成果しか見ていないとても狭い視点から、遠くの大きな未来をみれるようなったことを思い出します。
この樹は樹齢2000年の木だそうです。熱海にある来宮神社に祀られています。
先日、両親と旅行したときにこちらに訪れてお参りしてきました。2000年という長い時間、自然災害や世界大戦も乗り越え、ずっとこの土地に根差し続けている大木です。
大きな木の根、2000年の間の雨、風、嵐を乗り越え続けてきた「土台の強さ」、きっと土の中は、私たちの目には見えていない部分の「根」はたくましく繁栄しているのだろうと感じました。
なんにも咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ、やがて大きな花が咲く。
今のあなたの努力は、実際に目に見える成果として実ってはいないかもしれません。でも、本当に意図をもって確実な努力を重ねているなら、目に見えないところでしっかりと根を張って、「土台」を築いていることを信頼してください。
エアーズロックへの道
人生に迷いに迷った25歳の時の私。
自分の見た夢に失敗した。でも決意も内側の情熱も弱く、うまく行かなったのを周りのせいにして、逃げるように旅に出たのがオーストラリア。
弱った心が求めたのは、赤茶けた広い大地、エアーズロック!
一人旅の不安、出会い、感動、孤独を一通り経験し、ダーウィンという北の街からオーストラリアの中央のセントラルへバスで向かう。旅のプランはオーストラリアのトップエンドと呼ばれる最北端から最南端のアデレードまで真ん中を突っ切ってまっすぐに進む旅。
早朝夜明け前の暗い中、バスに乗り込み、陽が昇るのを眺め、そして天高くギラギラの太陽の中、昼寝をし陽が沈む、月があがる。
広大な土地と憧れの赤茶にはすぐ飽きてしまい、何も変わらない景色をひたすら眺めつづける。寝るのも飽きるくらい寝た。
何もなさすぎて、自分の心の中と対話を始めるしかない。
「何もない。なーんもない。なんで、何にもないのにあそこに大きな岩があるのかな?何か意味があるのかな・・・?」
そんな何にもないことにぶつくさ言い出したふて腐れた25歳でした。
その時、突然の閃き。「自然には全て理由づけなんてない。そして理由がないゆえに意味がある」
自分でもよくわからないけど、妙に納得した。当時の私は、何か意味付けと、物事の結果を必要としていた。私にとって結果がなければ全ては無駄に思っていた。
自然はきっといつもそこに存在するだけでパーフェクト。
この何もないと勝手に思っている土地がただ完璧。
「何もないこと」から一番重要なことを教わったのです。その後、心との付き合い方を学ぶようになり、こころの向こうにある「空」の世界への探求が始まったのです。
お掃除の仕事の中にみつける「悟りの道」
数年前、少しの期間ですが、浅草のゲストハウスでお掃除の仕事をしていました。お金のなかった私は掃除をしたら宿泊代はフリーという情報を聞きつけ、「安全な屋根つきハウス」を手に入れました(笑)
この経験は、想像以上に楽しかったです。もともとバックパッカーの一人旅が好きで、海外でも安宿に泊まってそこで出会う国際交流を楽しんでいました。
浅草のゲストハウスも、90%が海外の旅行者さんだったので、毎日英語が飛び交い、旅行者から「日本の大好きなところ、日本の良さ」を毎日聞いて日本人であることへの誇りを感じさせてもらいました。
さて、お掃除の仕事に話を戻しますが、毎日4時間、きっちり、ベットメイキング、トイレ、シャワー、掃除機、床拭きの結構、体力勝負の仕事でした。
ここのゲストハウスは「綺麗なのに安い!」という感動から自然なクチコミで海外からの観光客が後と絶たないという人気の宿でした。
なので掃除のチェックはホテル並みで、厳しかったのです。水道の蛇口も、指紋や曇りがあればやり直し!でした。
「もうこうなったら、絶対きれいにしてやる!」という意気込みでやりました。でも以外に体力が消耗し、また、一週間すると飽きてくるのです。特にクリエイティブな仕事でもありませんでした。
そこで、自分の意図を見直しました。ゲストハウスさんの「こんなに綺麗なのに安い」という感動を創っているという、ここの一部に貢献すると決めました。
そうすると、飛行機の長旅で疲れた人が一気に元気になり、日本という国に来た事に感動してもらおうと、その気持ちでお掃除をやりはじめました。
ある日、欧米のカップルが私が掃除した個室の部屋の扉を開けた瞬間、「WAWO!」と驚いていました。最初に扉を開けた彼の方が、その部屋が綺麗なことをエレベーターから荷物を降ろしている彼女に向かって話かけているのを、こっそり影から眺めて、「よし!やった!」とガッツポーズをしたのを覚えています。
その時、気づいたのです。このお掃除の仕事が、なぜ、つまらなくなっていたのか?
それは面と向かって感謝されない仕事なのです。そして、汚いことを元の状態に戻す、という当たり前が要求されている仕事なのです。
たいして、人からの評価がなく、ダメだったら修正されるという仕事なのです。自分がした仕事に「お金がもらえる」「評価される」という以外に「感謝される」ことがこんなにも大切なんだと初めてづいた瞬間でした。
そして「感謝」がないと人のモチベーションに大きな影響があることにも気づきました(笑)
自分のやった仕事が、直接、感謝されない、出来ていて当たりまえ、そんな風にわたしが知らないところでたくさんの人が淡々と働いてくれているのかもしれない。するとその人たちの仕事に心から敬意と感謝の気持ちが湧いてきました。
感謝を人に要求せず、自身の価値を自分で決めて、誰にも気づかれず人に奉仕する、ということは、わたしをとても謙虚にしてくれる経験でした。
そして、この淡々とした行動は謙虚さを学ぶ「悟りの道への扉」を感じた瞬間でした。
まとめ
ずっと、コツコツ努力していることで、周りにはあまり評価されないとき、時間とお金をエネルギーをかけているけど、今、目に見えた成果のない、そんな日々が続いたときは、誰でも気力がなくなり、落ち込んでやってきたことを否定したくなったり、自分自身に疑いをもちたくなるもの。
故人のこの格言や、長い年月、淡々とそこにただあることをしていれている自然の存在が、あなたに新しい視点を産み出し、また少しでも、前に一歩進める希望となれば嬉しいです。
いつかあなたのお気に入りの大きなお花が咲きますように。
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